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2007年 07月 05日
香港と韓国の、意外で幸せな邂逅。嬉しい拾いものに出合った。韓国映画「モーテル・カクタス」(97)。チョン・ウソン、パク・シニャン主演。撮影はクリストファー・ドイル、共同脚本はポン・ジュノ。
舞台は場末の「モーテル・カクタス」407号室。男女4組の「ある一夜」が、オムニバス形式で描かれる。安っぽい壁紙、じっとり湿った床、薄暗い部屋の明かり。窓から入り込むけばけばしいネオンの光。雨と汗と吐息が、じっとり体にまとわりつく。 画面に漂う倦怠感と湿り気、気まぐれで移り気な視線。「欲望の翼」「ブエノスアイレス」の“ドイル世界”に、韓国の俳優たちが放り込まれる。主演2人の乾いた大陸的、直線的な体が、香港的南方の湿気に戸惑いを感じているようで面白い。台詞は少なく、物語は抽象的。空気と演技で解釈を楽しむ。 後半2話に登場したパク・シニャン。メリハリのある演技は多分に劇画調で、間の取り方が抜群にうまい人だ。鋭い眼周り、厚い胸板と筋肉。典型的な韓国人男性の体が、ドイルのけだるい空気と妙になじんでいる。 ラストシーン。湿った布団に腹ばいになり、煙草をくゆらすパク・シニャン。隣に眠る女への複雑でやるせない感情を、表情の変化ひとつで演じ切る。この数十秒だけでも見る価値あり。観客を手ぶらで帰らせない人である。
by yeungji
| 2007-07-05 20:17
| 電影
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