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2008年 10月 07日
壇上のソ・ジソブは、滝の汗だった。
7月初め、東京・代々木第2体育館。「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」完成披露試写会で、彼は初めて日本で舞台挨拶に立った。緊張なのか、体質なのか。数十メートル遠くからも、額を汗が流れて見えた。 共演者の挨拶が続く。どうすることもできず、一点を見据えて我慢する彼に、横からスッと手が伸びた。並んで立っていた緒形拳が、黙って自分のハンカチを差し出したのだった。ソ・ジソブは一瞬驚いた表情になり、微笑んで何度かおじぎをすると、後ろを向いてゆっくり顔の汗をぬぐった。きちんとたたまれたハンカチを、舞台挨拶が終わるまで、握り締めていた。 彼はいつか知るだろうか。いや、もう知っているだろうか。 ハンカチの主が、どんな俳優だったかを。
by yeungji
| 2008-10-07 14:13
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